ドラマーのための音楽用語辞典

周辺環境事情編

ライブ

バンドがこれまでの鍛錬、忍耐、修練を発揮すべき最大の場にしてミュージシャンによる最高の自己実現を可能たらしめる発表の場である。

ライブ前日にミュージシャンはカバンを前に腕組みしつつ考え込み、「日常ではありえないような突飛な服」を入れたり出したり」している姿が目撃されるが、そっとしておくべきである。「なぜヘアスプレーの大サイズが2本も収納されているか」についても余計な詮索は慎むべきであろう。

とりわけ、「ビジュアル系」などと自己卑下するような一派の場合、親御さんは要注意である。「んまぁあの子ッたら、こーんなぼろい布切れ、さっさと捨てれば良いのに、しょうがないわね、捨てておいてあげるか。今度からちゃんと片付けさせないと」などと言った流れで、せっかく苦労して手に入れたステージ衣装が一夜にして不燃ごみと化す場合が近年報告されている。

また、一部ロックバンドメンバーでは一時期、衣装荷物の中にジャックダニエルの瓶をしのばせるものが散見されていたがそのみっともなき子供じみた行動に有権者の非難が集中し、「高校生の学生ズボンずりサゲ」同様の嘲笑を浴びることとなった。

主にライブハウス、ホール、屋外路上が3大ライブ現場であり、会場としての序列は総務省によると以下の通りと定められる。

  1. アリーナクラス大ホール
  2. 市民会館クラス大ホール
  3. ゼップクラス大ライブハウス
  4. 国内老舗ライブハウス
  5. 国内新興ライブハウス
  6. 学園祭・予餞会ステージ
  7. 飲み屋のカウンターステージ
  8. お祭りでのステージ余興
  9. 町内会館等自主コンサート
  10. 親戚一同勢ぞろいの宴会場
  11. 結婚式の余興
  12. カラオケ現場
  13. 路上

また音楽の形態によって上記序列は微妙に変化する。
何十人もそろうビックバンドとアコギ弾き語りでは機動性に差があって当たり前であり、それを反映した結果、例えばブラスバンドが場末のバーで生演奏など、まずありえない。しかし逆に生ギター1本で井上陽水は厚生年金クラスの会場にて国内縦断ツアーを敢行している。「大は小をかねる」の見本である。

高度成長期には「ライブ」などは一部ロックバンドの専売用語であり一般的には「興行」と称する場合が多数派であった。いわゆる「楽団で興行」である。古きよき時代の秀逸な表現である。

なお最近では「ライブ」と言えばイコール「若手お笑い芸人」の発表の場と捉えられることが増えてきている。こう考えると「俺たちのライブは生きることそのものなんだ!」などと口角沫を飛ばしつつ叫ぶパンクバンドも、ほぼ次長課長と同一である。


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