ドラマーのための音楽用語辞典
周辺環境事情編
ツアー
旅行の際に用いられる名詞であるが、バンドマンにとってはあくまでも「演奏のために移動しつつ暮らす一定期間」を指し示す。
北海道など、首都圏から見た遠隔地をベースに活動するバンドにとっては東京1箇所のライブでもなぜか「ツアー」と称する。これは「皆で機材車に乗って移動、フェリーに乗って本州上陸して東京目指して長距離走る」ので便宜上のことであろうと予想する。
運転手はなぜかドラマーであることが多いとの調査結果がある。これは当辞典で何度も力説するように、「肉体労働方面において真価を発揮する」ことが多いドラマーという特性上、尤もな現象である。
ただし、そのようなスタンスが長引いて定着すると、ドラマーにとって以下のような憤懣を呼び込む発言を聞かねばならない状況と相成る。
・「ドライバーさん、すみませんけどこの手紙をメンバーさんに渡してぇぇおねがいぃぃぃ」
・「あ、そこの運転手さん、今日出演のバンドさんの誰かを呼んできてくれたまえ」
・「今日のPAを担当する○○といいますが、出演の●●●さんのメンバーさんいます?」
・「君、スタッフなら当然受付もやってくれるんだよね?いないんだよ雑用」
そこまで来た段階で「俺だってメンバーだっ」と日本海に向かって叫んだとしても、「あの運転手」な印象はもうぬぐえないのである。
なお蛇足ではあるが、上記にあげた4例はいずれも実話である。※当該人物の名誉のため、氏名特定は避けることとする。
まして普段のステージでも「顔が見えない照明があたらないそもそも誰も見ていない」と言った劣悪な状況が普通なので今更絵的に浮上しようとしてもそれは無駄な労力である。自らがドラマーを選んだ段階で他者の目線は決定付けられたと言う現実を受け入れるほかに選択肢はないのだ。
こうして考察してみると、ドラマーにとってツアーとは「裏方であると言う現実をこれでもかと突きつけられる」場であると結論付けられる。
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