ドラマーのための音楽用語辞典

音楽ジャンル編

ブルース

1、黒人音楽を源流に持つ音楽。哀歌。

2、第8期太陽にほえろの若手刑事。

3、淡谷のり子


この場合、1を指し示す。

上信越地方で酢を青く着色した「ブルー酢」なる商品が発売されたことがあるが、「米飯が青い」という、あたかも宇宙人の食料さながらの違和感には勝てず、早々生産中止に至った。これは音楽におけるブルースとは全く違うものなのであらかじめご承知おき願いたい。

余りにも歴史があり、多岐にわたる表現手法があるのでここでは判りやすいように歌詞の意味合いを口語体にて解説する。

1、「俺よぉ、生まれてからずっと一人でよぉ、差別も受けてきててよぉ、気がついたらこの街で生きててよぉ」
・・・と言った、きつい繰言を音楽で表現する流派。

2、「俺にはおまえしかいないのさべいべ、今夜もステキだぜおーいえー、さぁ二人だけの世界にとぅぎゃざー、ふらいらいくあんいーぐぉー」
・・・と言った、情愛を激しく伝達することに燃える一派。

3、「背伸びしてみる海峡を今日も汽笛が遠ざかるあなたにあげた夜を返して 港 港函館通り雨」
・・・と言った、玉置宏口上状態の日本演歌の宗派。

いずれも6/8などを多用し、独特のはねるグルーブを必須とする。しかし一部ギタリストなどは「●×ブルース」などと曲名をつける割りに思い切りストレートな8ビートである場合も散見されるので一概に決め付けることは危険である。また、それだけ包容力がある音楽ジャンルであるともいえる。早い話が、作者がブルースといえば誰が何と言おうとブルースになってしまうのである。

その証拠に和田アキ子は「あたしが話せばそのままブルースやがな」と一見無理のある論理を押し通したまま30年が経過している。その暴論に正面切って異を唱える人物もこれまで出ていない。

ブルースが弾ける:弾けないでギタリストの評価が決まるような風潮も太古の歴史をさかのぼるまでもなく当然であって現代においても何ら変わらない。ペンタトニックを会得してからスィープやライトハンド、タッピングの練習に励まれたい。

ギター同様、サックスやペット、オルガン、ピアノ、あらゆるメロディー担当楽器はブルースを表現できなければいけないとされる。ヴォーカルも然りであり、思った言葉をそのまま表現してブルースのバックに乗って延々歌うような古きよきライブハウスも情報として伝えられる。しかしその状況は普通の人間にとっては余りにもつらく切ない。忘れたい現場となる。次元が似たような現場としては以下の例が当てはまる。

1、「客も出演者も延々拓郎を歌い続ける、『人間んんなんてららーらーららららーらぁぁぁ』なライブハウス」

2、「来る客寄る客、皆で順番にベンチャーズのパイプライン試奏、テケテケテケテケな楽器店」

3、「問答無用でスモークオンザウォーターのイントロリフが何度も何度も出るスタジオ(ツェッペリンのロックンロールも同様)」

その店をつぶしたければ、毎晩セッションで延々とブルースを回すのが極めて効果的である。やがて1ヶ月を待たず「諸事情により・・・」と言った張り紙が掲示されよう。

なお、ブルース「のみ」で身を立てたドラマーはいない。このことから、「本当はドラマーも演奏で歌わなくてはいけないのに全然歌ってなくても技術があればどうにかなる」と言う非生産的な現実が垣間見える。逆に捉えると、ブルースが好きな団体に所属しドラムを叩くのは、ある意味容易なことであって、とりあえず叩ければ何とかなる。楽器が少なくても、とりあえずは何とかなるのだ。

ブルースとは、「ドラマーにとって、何とかなる」音楽だと結論付けられる。


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