ドラマーのための音楽用語辞典

音楽ジャンル編

プログレ

同意=プログレッシブロック

ロックと言えども様々な分野が知られるのだが、その中で最も斜陽極まる日本海側泡沫ジャンル。

とあるドラム講師によると、女子高生の生徒に「プログレはいいぞ」と言ったところ、「プロがグレて演る音楽?」と返されたと言う泣きたくなるような実話も存在する。

70年代ロック黄金期、楽器のテクノロジーが一気に進化するとともに比例して広まった音楽形態である。

「プログレッシブ=進歩的」であり、当時は先端であったが今現在この手の音を出すと、どう聞いても古めかしくなる。最先端が古めかしいと言う、「名が体を語らない」状況が強いられる。

他ジャンルに比して、かなり自由度が高いことを反映し、あらゆる方向論がすべて肯定される。その一部を紹介する。

ジャズからの影響を感じるインストゥルメンタル一派、(ソフトマシーン、ナショナルヘルス等)

・高度な演奏能力でありえないアンサンブルを実現する一派、(イエス、キングクリムゾン等)

・クラッシック/トラッドの影響下にある一派(ルネッサンス、ペンタングル等)

・そもそも編成の段階で普通ではない一派(ELP、カンサス等)

孤高の存在である「ピンクフロイド」も含め、その表現は自由であってミュージシャンにとって桃源郷のような音楽であるが、その反面で、現在においては以下のような一つの宿命も併せ持つ。

 

「売れない」

 


また、プログレを語る上で欠かせない要素の一つに「変拍子」がある。市中にあふれる音楽の90%は4拍子であり残った中の8%位は3拍子であったりするが、プログレの場合平気で5/8だの13/16だのと言う「手を叩けない踊れない」拍子で演奏される場合が多く、しかもそれらがアトランダムに組み合わせられる。これら技術に長けてくると日常生活において以下の点で役立つことがある。

「最小公倍数/最大公約数」の計算が速い。

〜11拍子や9拍子などを演奏しているうちにドラマーはいつのまにか「それらを4または8でまとめ、残ったハンパでいちにっさん」な感覚が身についてしまう。それによって大人数での宴会などの清算時に能力開花を見る状況が報告されている。

歌入りの場合も演奏同様、強力に理論で押し迫る。哲学や宗教学など、人類文化の根源に迫る歌詞で高尚に歌われることが多い。イエスに至ってはアルバムタイトルに「海洋地形学物語」などと付け、「はたして音楽なのか研究なのか」と真剣に考えなくてはならない状況さえ作り出してしまった。ELPになると「悪の経典作品9第一印象パート1」なる、「ロックにおける寿限無」を発表。このような難解度はいうまでもなく一般市民を遠ざける要因となり、80年代に失速することになる。

なおプログレに精通するドラマーには以下のような自分を律した行動が求められる。

「読むなら日経・会社四季報・現代用語の基礎知識」

「見るなら特派員報告・クローズアップ現代・ドキュメント06」

「食うなら山菜・穀物・根野菜」

「行くなら美術館、博物館、地元議会」

間違っても「通勤バスでザ・テレビジョンやフライデーなどを読みつつガム噛んでi-podでハロプロ聞きつつ昼はカツどん」など厳禁であり取り締まりの対象となる。(禁固2年以内罰金10万円以内)

いずれにせよ知性と教養(有無は別)を「これでもか」と周囲に押し付け、尊大なる態度で訳知り顔で演奏する姿勢が強く求められる。言って見れば「友達が少なそうな姿勢」を演じなければならない。それがプログレドラマーに課せられた使命そして運命なのである。


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