ドラム講師の嘆き
No.2「小さいぞ」
負けたくないって生徒が多いんですな。
で、その「勝ち負け」の内容が問題なんですがね。
・「先生、じゃあこれ叩いてみて」
・・・それはマークポートノイの超絶ソロの譜面だった。 そうそう出来やしません。それにこちとら1バスだし。 でもまあエッチラオッチラ叩いてみました。するってえと「ほぉら、ここ違ってましたよ」 ・・・そう言って溜飲を下げると。
・「先生、握りが違いますよ」
何かの本で仕入れたらしい知識ですね。もうそれを開陳したくてウズウズしてたと。「それによると先生の左手はちょっと硬いかな?」 ・・・そう言って溜飲を下げると
・「あれはヤバくないですか?」
ドラムでツッコめないとなると他にその悔しさを向ける「ドラミングはまあまあ(!)ですが、弦がねぇ・・・」 ・・・とかって言って溜飲を下げると。
・・・あれもこれも、すべては「講師に対して悔しい」と言う妙な意地が言わせる文言なんですね。きっと彼の周囲にあってそいつの天下なんでしょう。皆に羨望のまなざしで見られてると思います。で、もっと向上しようと教室に通う。するってえと私にその中途半端な鼻をへし折られる。
当然ですよね?アマチュアなんだから。しかしそれがなかなかキャツには受け入れられないと。「そんなはずはない」とか「俺だってこれでも・・・」とか不要な自尊心が彼をしてそう言わしめているんでしょう。
つまりですね、彼は結局向上しようとして教室に来たんじゃないんですね。 「腕試し」的な感覚なんですよ。そうなると今度は先生の言うことが気に入らない。「イチャモンつけられてる」と考えるんですね。そうでなきゃ上記文言は出るわけがない。そして散々ッぱら文句を並べて辞めて行くんです。しかも黙って。
*そんな諸君に送る言葉*
あのなぁ・・・ひとつひとつ説明すっか?まず、例のソロの譜面だが、当然難しいんだ。曲ならその場その場でアレンジしつつ別のアプローチも可能だよ?で、ソロ?それを仮にコピーしたとして、それがどうした?何か価値あるのか?向こうだってほぼ8割はアドリブなんだ。俺が同じくらいの長さのソロを叩きそれを記譜して有名プロに叩かせようか?金をかけてもいいけど出来やしない。 もっと言えば俺にだって出来ないさ。俺のソロなのにだよ?意味がわかるか?あのな、出来る出来ないと言う以前に意味がないんだ。音楽じゃないべ?ドラムソロって。音楽的アプローチは可能だけどよ、アンサンブルがねえんだ。 それをコピーできたとしてだから何だってよ?
で、何?俺の左手?ああ、そうだよ。右よりは硬いさ。で、それがどうした?あのなぁ、そんな知識は15年前から知ってんだわ。 基本どおりに忠実にやってきて、やがて自分にあったフォームになっていくんだよねこれが。おまえさ、F1ドライバーに向かってだよ、「ハンドルは10時10分の位置に!」って言うの?悪いことは言わないからそういうマネはやめとけ恥を広めるだけだぞ?
して、何?弦?言わせてもらうがおまえがそれを指摘するのはだな、そう話している「僕を認めてください」と言ってるのと同じなんだ。「先生にこんなことも言える僕って優れてるでしょ?」と思いたいだけだ。顔見ていたら分かるんだ。そう言うことを言っている人間はそれはそれは醜い表情をするもんなんだ。しかも言ってる自分自身の劣等感をカモフラージュしたいってな姑息な計算もバレバレなんだ。
あのな、ドラムの練習やら楽譜の勉強やらする前に、まず人間として素直になれ。ダメな自分の存在を自分で認めるんだ。それが出来ない以上、いつまでたってもおまえは「人と比べることでのみ存在を確認する」ってな実に卑しい大人になっちまうぞ?
でもねぇ・・・・ 最近はその程度の鼻っぱしらをもったやつさえ見なくなりました。
ドラム講師の嘆き・・・他記事
| 9、こんな生徒もいたんですよ〜だ || 8、どの分野にもいますね || 7、ある日のドラムレッスン2 || 6、寄り道 || 5、質問と依存の相違 || 4、ある日のドラムレッスン || 3、爆弾質問 || 1、なめるな |








